血圧が高い状態が長く続くと、動脈硬化(※)が起こり、狭心症や心筋梗塞などの心臓病や、脳血栓、脳梗塞などの脳卒中、腎臓障害の引き金となってしまいます。
健康診断で血圧が少し高めと言われたらすぐに高血圧対策を考えてください。
最近では、血圧を下げる降圧剤をすぐに使わず、まずは生活習慣の見直しをするよう医師から指導されます。 食生活の改善と減量は血圧が少し高めの方にはとても良い方法です。
※動脈硬化とは、動脈内が狭くなったり動脈が弾力性を失い血管が硬くなる状態をいいます。
血圧は食事や運動、睡眠などライフスタイル(生活習慣)と密接な関係があります。つまり、高血圧の原因は、日々の生活習慣に因るところが大きいのです。下の「高血圧チェック表」で、自分の生活習慣をチェックしてみましょう。
高血圧には、それとわかる症状がないため気づかない人がほとんどです。そのため定期的な血圧測定をして、自分の健康状態を知ることが大切です。
血圧は、1日の行動や精神状態などによって変化します。一般的に、活動している昼間は血圧は高く、寝ている間は血圧は低くなります。
また、会話や暗算などの何気ない行動でも血圧は変化します。そのほか、病院で血圧を測ってもらうと一時的に血圧が上がってしまうという人もいるため、1度だけの測定では、血圧の状態を判断できません。
時刻や日を変えて1日少なくとも3回ぐらい、1ヶ月間続けて測り、自分の平均的な血圧を知るように心がけてください。
肥満は生活習慣病の大敵です。体重が1キログラム増えると、毛細血管は1.5キロメートルも増加するといわれています。心臓が送り出す血液量がそれだけ増えるので、血液を全身に行き渡らせようとして心臓に負担がかかり、血圧が上昇するのも当然といえます。
適度の運動は血圧を下げる働きがあります。最近は高血圧の治療のひとつとして運動療法を取り入れることもあります。
運動療法では、全身を軽く動かし、血液循環を良くして気分も爽快になるような有酸素運動を行います。たとえば、散歩やウォーキング、水中歩行、サイクリング、太極拳、クロスカントリースキー(歩くスキー)、社交ダンス、ラジオ体操などです。
※重度の高血圧症の場合は、運動療法を行うことはできません。かかりつけの医師の指導に従ってください。
運動をすると、血圧を上げる働きがある体内物質(アドレナリンなどのホルモン)が減り、血圧を下げる働きのある体内物質(ドーパミンなどの血中物質)が増加します。運動で肺活量が増え一時的に血圧は上がりますが、しばらく続けていると末梢の血管が広がって血管抵抗が少なくなり、血圧が下がります。
また、運動は、肥満を改善したり、精神的ストレスを発散することにもつながりますので、血圧上昇の予防に有効です。
動物性脂肪の摂り過ぎは、摂取エネルギーの増加につながり肥満を招きます。さらに、血液中のコレステロールや中性脂肪を増やし、動脈硬化を促進します。
油っこい料理はほどほどに。調理には植物油を使うようにします。
毎日、日本酒に換算して3合以上お酒を飲んでいる人は、飲まない人よりも2~3倍も高血圧症が多いそうです。しかし、節酒を心がけると、2週間ほどで血圧が下がってきます。
大量飲酒は、肝臓、すい臓、心臓などにも影響を与え、最終的に脳に異常をきたす場合があります。
お酒を飲むときは、食事やつまみと一緒に。ほろ酔い程度が良いようです。
血圧上昇を防ぐには、まず塩分を摂り過ぎないようにすること。減塩はいつでも始められて副作用のない高血圧対策です。
※塩分の摂取量を控えても血圧が下がらない方もいます。その時は、医師にご相談ください。
現在、日本人の平均塩分摂取量は1日12gと多い傾向にあるため、減塩推奨運動が盛んになりました。日本高血圧学会では5月17日を「高血圧の日」と定め、高血圧に関する正しい知識を一般に広める運動を行っています。
近年では、減塩の療養食を宅配するサービスや減塩食品が多く販売されるようになったため、減塩食を始める方の大きな助けとなっています。
■参考「一日の食塩摂取量の目標値」
・健康な成人男性:9g未満(厚生労働省推奨)
・健康な成人女性:7.5g未満(厚生労働省推奨)
・高血圧治療を要する人:6g以下
(高血圧治療ガイドライン2009年度版より)
・WHO(世界保健機関)の目標値:5g
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させるため、脈拍を速め血圧上昇につながります。しかも、副流煙(タバコの火のついた部分から立ち上る煙)には主流煙(喫煙者が肺に吸い込む煙)の約3倍のニコチンが含まれています。
喫煙をしている人は、自分だけでなく周囲の人にも生活習慣病のタネを植えつけていることをお忘れなく。
自分や家族の命を大切に思うなら、「絶対」に禁煙してください。
テレビコマーシャルでご覧になったことがあるかもしれませんが、現在、禁煙治療を目的とする「禁煙外来」のある病院が増えてきました。健康保険で治療が可能なこともあり、受診する方も増えているそうです。
禁煙治療を考えている方は、一度「禁煙外来」の受診をオススメします。
インターネットで「禁煙外来」というキーワードで検索してみてください。
情熱的で、何事にも興奮しやすい人には高血圧症の人が多いようです。生真面目な性格で思い込みが激しく、ストレスをためやすいタイプの人も要注意。
強いストレスを受けると血圧を調整する中枢神経が興奮し、副腎からはアドレナリン、神経末端からはノルアドレナリンというホルモンが分泌されます。それらは血管を収縮させたり、心臓の拍動を速めるなどの作用があり、血圧の上昇につながります。
自分にあったストレス解消法を見つけて、血圧の更なる上昇を防いだり、血圧を安定に保てるように心がけてください。
ストレス解消法はひとつだけでなく、複数持つことをオススメします。
統計的に見ると、両親が高血圧の場合、その子供は60%という高い確率で高血圧症になるようです。これは、両親と同じ食習慣に原因があるといわれています。身内に高血圧症の人がいたら、早めに生活習慣を見直しましょう。
血圧は年齢とともに高くなります。これは、血管が老化し弾力性を失うための生理的な変化です。
高血圧症は、40~50歳代から急増し、65歳を超えるとほぼ2人に1人は高血圧症になっているようです。
中高年期に達したら、血圧測定を習慣づけましょう。
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